本記事ではこれから正社員登用試験に挑戦する人、正社員登用試験が気になる人の参考になるよう、正社員登用試験が出来レースだった人の経験談をまとめました。
また、
- なぜ正社員登用制度が社内で正しく機能しないのか
- なぜ正社員登用制度があっても活用しない人がいるのか(正社員になりたくない理由)
- 正社員登用試験が出来レースとなる原因は何か
についても触れます。
正社員登用試験の実態とは
本来、正社員登用制度には
- 自社の事情や業務を知る人を雇用することで、ミスマッチや離職率を抑えられる
- 福利厚生の充実と安定した雇用が望める
といった雇用する側、雇用される側双方にとってメリットがあります。
正社員登用制度が機能していないこともある
ところが、正社員登用制度の導入率の割に実績につながらないことがあり、正しく機能していない側面もあります。
厚生労働省による「労働経済動向調査(2021年2月)の概況」の資料によると、各企業における正社員登用制度の導入率は77%であることが分かりました。その中でも、2020年2月~2021年1月の1年間で、実際に登用実績があったのは47%。
正社員登用制度はどう活用する?組織に与える効果や制度を作るコツも解説
その原因は、正社員として雇われたい人が少ないとされたり、
実績がなかった企業における要因としては、「必要としていたが従業員からの応募がなかった」という回答が多くを占めました。この情報からは、高い割合で正社員登用制度を設けているにも関わらず、半数ほどの企業において、自ら正規雇用を希望する従業員がいなかったということが読み取れます。
正社員登用制度はどう活用する?組織に与える効果や制度を作るコツも解説
正社員登用制度を活用した人が試験に不合格になる、あるいは正社員登用試験が出来レースだったという実態が存在しています。
なぜ正社員になりたくない?非正規雇用者が抱える現実について
- 通常の業務と並行に、試験対策の時間やリソースが限られるため、受験しようと思えない
- 拘束時間の多さ、責任ある立場など正社員にメリットを感じない
などの理由で、正社員制度を活用したくない人が一定数います。
また通常の業務と並行して、空き時間に正社員登用の試験対策まで手が回らないのが現状です。
正社員登用試験ではどんなことをする?対策は?
正社員登用試験はSPI、小論文や面接、企業独自のテストなど様々です。
一般的には難しいとされており、社会人のための正社員登用試験対策講座を活用する人もいます。
- オンライン学習サービス
- 外部セミナー
に参加して、マンツーマンの指導を受けて適正が何か見極めることで、効率的に合格が目指せます。
また勤務態度や欠勤の多さ、コミュニュケーション能力など、筆記試験の結果以外を判断材料にするケースも存在しています。日頃から業務を首尾よく、効率よく取り組むよう心がけておきましょう。
正社員登用試験が出来レースだった経験談まとめ
正社員登用試験では、企業が特定の候補者を事前に決め、試験結果を操作することがあるようです。
ネットで広まっている実際にあった「正社員登用試験の出来レース」をご紹介します。
また若者が辞めていってしまう。正社員登用試験があっても受かるのは片手ぐらい。しかも出来レース。これじゃ職場は辛い環境になるのは当たり前。足りない所は派遣社員を増員。ほんとにこれでいいのだろうか?大手に限ってやり方はずるい。
正社員登用試験受かったけどなんか出来レースみたいな終わり方だったんで妙に納得いかねぇ 他にいい子いただろうに…
準社員が全員正社員登用されてんだもんやっぱり出来レースだったんやんけ
もちろん、希望者全員を正社員登用なんか無理なのは分かるけど、それにしても登用試験の回数が少なすぎる。俺が在籍してた5年間で1回だけ、しかもその一回も出来レース(と思われても仕方ない)だった。少なくとも、俺が受けたその一回ではきちんと採点されなかった。
ハッキリとは聞いてないけど、今までバリバリやってきてた同僚が正社員登用選考落ちて、多分辞める。正社員登用の募集からして出来レースなんじゃ?っていう人が選ばれてるしな…モチベーション保てないわ、そりゃ。
面接して昨日の今日で正社員登用決まりました。全員決まってたからほんまに事前に聞いてた通り出来レースやったみたい
他にも、
- 筆記試験は合格の範囲だったのに面接で落ちた
- どう考えても、落ちた理由が納得いかない
- 面接が形式的なもので受かる人は決まっていた
という声がありました。
なぜ正社員登用試験で出来レースが起こる?原因は?
正社員登用試験の出来レースの実態から、正社員登用試験の結果を操作する理由は以下の背景や意図が原因だと考えられます。
- コスト削減のため
- 人事上の都合
- 既存社員の保護
正社員登用試験が出来レースだった人から学ぶべきこと3つ
正社員登用試験を受けた人の体験談から以下の学びが得られます。
- 正社員登用試験が出来レースかどうか、可能であれば見極めること
- 正社員登用試験を受けたいなら受けるべき
- 正社員登用試験に落ちたら、新たなチャンスと捉える
正社員登用試験が出来レースかどうか見極めるポイント
正社員登用試験が出来レースかどうか、事前に可能なら見極めましょう。過去に受験した人や採用事例から予測することもできるかもしれません。
- 人間関係の好き嫌いや特定の人物が関わっている
- 正社員登用試験の不合格理由がはっきりとわからない
- 合格するレベルの実力や結果が出たにも関わらず、落とされた
正社員登用試験では後悔しない選択を
正社員登用試験が出来レースなんじゃないかと気にするあまり、受験を迷ったり、諦めたりする人がいます。
しかし、正社員登用試験の対策をすることで得手不得手を理解し、大きな成長へとつながることもありますので、正社員登用試験を受けたいなら、やらずに後悔するよりも受けるべきです。
正社員登用試験対策をしっかりやって得たスキルは、自分の市場価値を高めることにもつながります。
正社員登用試験に落ちても新たなチャンスと捉える
- 正社員登用試験で落ちても様々な原因が考えられるので、自分だけを責めない
- 正社員登用試験で落ちた原因が出来レースだった場合、待遇や環境の良さを求めて転職などを考えるいい機会となる
など、できるだけ肯定的に捉えて、心身の負担をかけすぎないよう注意しましょう。
正社員登用で困った時の相談先は?
契約違反や権利を侵害することがあったら、まず労働基準監督署に相談し、対応に疑問を感じる・解決しないときは、専門家に相談することが一般的です。
労働基準監督署に相談・通報すると、どうなるのか?
労働基準監督署に勤務先の労働基準法違反の行為を通報すると、労働基準監督署が企業に指導勧告を行ったり、立ち入り調査を行ったりする可能性があります。悪質なケースでは経営者らが刑事的に立件されることもあります。労働基準監督署は、その会社が労働基準法など労働法規に違反していれば、それを正すべく会社を指導したりしますが、個別の従業員の未払いの残業代を支払うよう会社と交渉する、といったことはしてくれません。
労働基準監督署に通報したら、何をしてくれますか?会社にバレてしまいますか?
未払いの給与があるといった問題を抱えているなら、弁護士に相談しましょう。
正社員登用のQ&A
正社員に登用されるまでどれくらいかかる?
ケースバイケースですが、法令で定められたいわゆる「契約社員の5年ルール」と言われるものがあります。
同じ会社で有期労働契約が更新されて通算5年を超えたときは、労働者の申込みによって、期間の
契約が更新されない不安を解消。「無期転換ルール」とは?
定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できるルールのことです。通算5年のカウントは、平成
25 年4月1日以降に開始した有期労働契約が対象です。(労働契約法第 18 条:平成 25 年4月1日施行)
契約期間が 1 年の場合、5 回目の更新後の 1 年間に、契約期間が 3 年の場合、1 回目の更新後の 3 年
間に無期転換の申込権が発生します。契約期間が平成 25(2013)年4月に開始して1年ごとの更新
を繰り返した場合、平成 30(2018)年の 4 月から「無期転換の申込み」ができるようになります。
正社員登用制度の合格率は?
会社によって異なります。
これから正社員登用制度を活用したい方、正社員登用制度を導入している会社に入社したいと考えている方は、合格率とともに以下をできるだけリサーチしましょう。
- 正社員登用制度が毎年行われているか(社内で積極的に制度を活用しているか判断できるため)
- 過去に登用された人数(実際に登用されるか確認できるため)
正社員になれるのは何歳まで?
決まっていません。
ただ30歳を迎える前、就職支援が受けられる34歳を区切りとして認識している人、企業が多いと言われています。
正社員と契約社員の違いは何ですか?
雇用形態、雇用期間、給与や福利厚生で違いが出ます。一般的な観点でまとめました。
正社員 | 契約社員 | |
---|---|---|
雇用形態 | 無期限の雇用 | 期間限定の雇用 |
給与・福利厚生 | 通常、給与は高く、福利厚生が充実している | 給与や福利厚生が制限されることが多い |
雇用期間 | 雇用期間は基本的に無期限 | 雇用期間が一定で、更新は会社の判断による |
昇格試験合格の基準は?
正答率70%以上の企業もあれば、90%以上、60%でよかったという場合も存在するようです。
なお、昇格試験合格の基準は各会社で定められており、基準を満たしていても不合格になる方もいます。
正社員登用試験のSPIに落ちたらどう対策する?
ネット上にある実際に経験した人の対策をまとめました。
- SPI関連の参考書のうち、1冊を繰り返し解いて身につける
- 参考書は図解がわかりやすいもの、問題の解説をかみ砕いているものを選ぶ
- 知らない問題が出ると困るため、複数の参考書で量をこなす
昇格試験に落ちた、フィードバックに納得がいかない!
不合格後にもらうフィードバックには、納得がいかない評価だったり、シビアな内容が書かれていることがあると思います。結果が来てすぐは冷静になれず、諦めたり自暴自棄な気持ちになるでしょう。
ところが、もしフィードバックの内容に心当たりがあるのなら、改善や受け止め方を変えるのがおすすめです。
身につけるべきスキルが何か、読むべき本は何か見えてくるなど、自分自身と将来にとって役立つからです。
昇格試験に落ちた部下への良い接し方は?
もしあなたが上司で、昇格試験に落ちた部下いたとき、
- 話すことで紛れるタイプの部下であれば、親身になって話を聞く
- 落ちたことが恥ずかしい、感情的になっている場合はしつこくしない
など、接し方を部下に合わせるべきでしょう。
試験に不合格になったことを、「成長の機会、いい経験」と冷静に捉えるには時間が必要です。
昇格試験を時代遅れと感じる
最近では昇格試験を時代遅れと感じる人が増えています。以下の企業のように「昇格試験を廃止」する動きも見えます。
パナソニックホールディングス(HD)の子会社で企業向けシステムのパナソニックコネクトは、2022年度内に係長級と課長級の昇格試験を廃止する。試験に備える研修が長期にわたり、子育て中の女性らに負担が重い。代わりに必要なスキルや能力を明示して希望者が自ら手をあげる公募制を導入し、女性登用の機会を増やす。ソフトウエア中心のビジネスモデルに転換するため、人材を多様化して風土を変える。
パナソニックHD系、昇格試験を廃止 女性管理職増へ
時間の制約がある人、昇格に意欲がある人が、積極的にチャレンジできる場を設ける企業がもっと増えるといいですね。
昇格試験を受けたくない!わざと落ちるのってあり?
昇格試験を受けたくないからわざと落ちる人がいます。メリットとデメリットをまとめました。
メリット | デメリット |
---|---|
現状や今の職務内容に満足した状態を維持 責任やプレッシャーを避けやすい プライベートと仕事のバランスを保ちやすい 試験に落ちたこと、落ちた理由を気にしなくて済む | 給与や待遇が上がる機会を逃す 新たなスキルや経験が得られない キャリアアップにつながらない 社内の評価や立場に影響を与える可能性がある |
まとめ
今回は正社員登用試験が出来レースだった人の経験談をまとめました。経験談から学ぶべき3つのことは、
- 正社員登用試験が出来レースかどうか、可能であれば見極めること
- 正社員登用試験を受けたいなら受けるべき
- 正社員登用試験に落ちたら、新たなチャンスと捉える
試験に不合格でも、あなたの能力やスキルに原因がない場合もあります。
これから正社員登用試験を受ける方、正社員を目指す方の参考になれば嬉しいです。
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