社内公募は公平に評価され、社員が自ら希望するポジションに異動できる制度ですが、出来レースが存在する場合もあります。
そこで本記事では実際に社内公募が出来レースだった人の体験談と社内公募における出来レースの見分け方をまとめました。
社内公募制度って何が目的?
社内公募制度の目的は、社員が自分の能力や適性に合った仕事に挑戦する機会を提供することです。この制度を活用すれば、キャリアアップが期待できます。
社内公募制度のメリットとは
社内公募のメリットは転職より低いハードルでキャリアアップができ、仕事に対するモチベーションの向上もあります。
キャリアアップ以外にも
- 現在抱える仕事に対しての不満を解消したい
- 人間関係がもたらす影響から逃れたい
- 人材を引き抜きたい
ために、社内公募制度を活用するケースもあります。
社内公募が出来レースだった場合、優秀な人材の流出や離職率の増加に
社内公募で出来レースだった場合、公平な評価が受けられないため、
- 社員のモチベーションが著しく低下
- 所属する会社や部署への信頼が下がる
- 現在担当している仕事への意欲喪失にもつながる
- 社内で適切な人材が配置されない
など、最終的には会社全体の成長が阻害され、経営不信に陥ることがあります。
社内公募に挑戦する時の注意点やリスクについて
キャリアアップにつながるとはいえ、以下のリスクがあることを心得ましょう。
- 社内公募の準備や対策にかける時間とエネルギーが多くかかる
- 不合格になるとモチベーションが低下する
- 社内公募に応募することを隠して不合格になると、現在の職場の人間関係に影響が出る
- 社員だからと言って絶対に合格できるとは限らない
- 現在の職場環境から逃げる手段としては活用できない可能性がある
- 社内公募に合格して社内転職したら、自分が想像していた職場環境と違った
など、事前によくリサーチして確認しておきましょう。
社内公募で出来レースって本当にあるの?体験談まとめ
社内公募での出来レースは本当にあるのか、ネット上の体験談をまとめました。
最初から応募対象から外れていたことがわかった
書類選考で落とされました!聞く所によると、そもそも社内公募は総合職(大卒とか)のための出来レースらしいですよ!!こっちは本気で応募したのに辛いわ。
特定の人を穏便に異動させたかっただけだった
社内公募が出来レースだと知らずに応募して、「別の人を穏便に異動させたかっただけなんだけど…まあいいやついでに来れば」って言われて今の部署に異動してからもう10年経つ。
異動希望を上司に拒否された
評価シートの移動希望は部長に握り潰され、社内公募は出来レース〜なのですよ〜
社内公募を通さずに異動した人がいる
全社会議でおじさんが
ある女性が社内公募を通さず本社のある部署に行ったようですけど社内公募を真面目に受けて落ちた人が何人もいるのはなぜなんでしょうか?
ってエラい人に質問してるおじさんがいて、命を大切にする行動を心掛けてほしいと思った
募集時点で採用する人が決まっているのが知られていた
正社員登用試験で受かる人があらかじめ決まってるうちの会社
知らずに受けて落ちてる人は…
独身時代に勤めてた会社もそうだった。
あらかじめ採用される人は決まってるのに、公募して面接してたな。
社内公募が出来レースだと分かる体験をした人たちに共通するのは、
- 社内公募の内容が表向きなだけだった
- 評価や決定理由が不明瞭
ということでした。
社内公募が出来レースかどうか見分ける方法
社内公募が出来レースだった方々の体験談をふまえて、出来レースかもしれないと疑ったときに、チェックすべきポイントをご紹介します。
社内公募に挑戦する前や、社内公募に落ちた原因が思い当たらない時に活用してください。
社内公募の結果が最初から予想できる
事前に結果が分かっているような状況や、特定の社員が優遇されることが多い場合、その社内公募は出来レースの可能性があります。
ネット上にある社内公募経験者によると、表向きは社内公募という形をとっていても、単なる人事異動というケースが実際に存在しています。
評価基準が曖昧
社内公募の選考基準が明確でない場合や、評価方法が過去に行われた公募と一貫していない状況も、出来レースである可能性が高いと言えます。
選考基準で上司の推薦が重要視される
社内公募で受かる人を選ぶ時に、上司の推薦が大きな影響を持つ場合も、出来レースの可能性があります。
コネクションが重要視されると正当な評価が受けられなくなるので、あなたや公募の候補者も、スキルや仕事での実績では評価されません。
公募要項や開催スケジュールが現実的でない
社内公募を開始して人材を選定し、実際に異動が決まるまでのスケジュールが短期間で行われる場合も、出来レースである可能性が高いでしょう。
公平な社内公募が行われるための仕組みがない
本来、社内公募を公平行うには、透明性が高い選考プロセスや環境改善に努めないといけません。選考基準や評価方法を明確にし、すべての社員に公開することで、公平な評価が行われるようになります。
そのため、仕組み(出来レース防止策)が設けられているかチェックすべきです。
以下の項目を確認し、不正がないか判断してください。
- 透明性のある評価システムを導入しているか
- 社内公募を実施する前後で、社内公募に関する意見交換の場が設けられているか
- 社内公募のメリットや成功事例を共有されているか
意見交換の場では、過去に実施した社内公募のフィードバックを集めたり、改善策を社内でシェアすると、公募の質を高めることができます。
また社内公募はキャリアアップにつながることが目的なので、メリットや成功事例を共有することで、社内公募は意義ある制度であると社内全体で認識できます。
募集要項で出来レースかどうか見分けられない場合は?
募集要項を見ただけで出来レースかどうかを見分けることは難しいこともあります。出来レースかどうか見分けられない時は、
- 上司や人事部など関係者
- 過去の社内公募に応募した人
に、できる限り事情を聞くしか方法がありません。
「出来レースだよ」と直接聞けなくても、社内公募に関する質問をするうちに、気づくことがあるかもしれません。
社内公募Q&A
社内公募に関して想定される疑問や悩みについて、答えとともにまとめました。
社内公募の流れ
各社によって微妙に異なりますが、一般的には以下の流れです。
- 社内公募の募集要項が公開される
- 候補者は募集要項に沿って応募書類を提出する
- 書類選考が行われる
- 書類選考で合格した候補者に面接が行われる(最終面接が行われる場合もある)
- 合格通知が届く
社内公募の面接時間はどれくらい?
一般的には30分から1時間程度とされています。
社内公募の結果はいつわかる?
社内公募の合格通知が来るまでの期間は1週間や3週間と幅広く、会社によって異なります。
また通知方法も違います。合格者の上司や部署に連絡がいく場合がありますので、事前に確認してください。
社内公募の最終面接で合格したとわかるサインは?
最終面接の合格サインとしてよく知られているのは、興味関心を強く持ってもらえる、逆にたくさん質問される、答えた内容を熱心にメモに取るなどです。しかし合格サインは面接官によって差が出ますし、期待しすぎないほうが賢明です。
なぜならあなたが合格に値する優秀な人材であったとしても、採用できる枠に限りがあったり、条件が惜しくも揃わずに不合格になったケースがあるからです。
社内公募の志望動機はどう書けばいい?
社内公募で聞かれる志望動機では、
- なぜ異動を希望するのか理由と背景
- あなたのこれからのキャリアにどんなイメージを持っているか
- キャリアイメージに対して自分のスキルや経験をどう活かすか
といった事柄が問われる傾向があります。
あなたが異動することになれば、異動先のパフォーマンスに影響が出るため、部署全体にとっても採用したいと思わせる内容を記入しましょう。
社内公募で受かる人の共通点は?
- 募集要項にあった人材である
- 志望動機が明確で熱意が伝わる
- 異動先の業種と応募者のスキルがマッチしている
- コミュニケーション能力や適応力、協調性など仕事をする上で必要な能力が備わっている
- 異動先の部署での仕事の進め方や考え方、ビジネスマインドがマッチしている
- これまでの実績に対する評価が高い
などの特徴が共通しています。
社内公募での書類選考の通過率は?
募集要項での採用人数によってケースバイケースです。
例えば一般的に転職における書類選考の通過率は3〜5割と言われていますが、社内公募の場合は募集人数が極端に絞られていることもあるでしょう。採用枠が1〜2名だった場合、通過率はかなり低いです。
社内公募に落ちたらどうすればいい?
ダメ元で応募したとしても、落ちたらダメージは残ります。その後の対策を調べて一番多かったのは、
- 落ちた悔しさをバネに、次回合格のための分析や準備をする
- 気持ちを切り替えるための行動をする
- 現状のメリットに目を向けて、仕事やできることから取り組む
ことでした。
社内公募で今の職場から逃げられる?
職場環境に悩み、現状から逃げるために社内公募を利用する場合、本当に異動できるか現実的に考えるべきです。
なぜなら以下のデメリットがあるからです。
- 現在の部署の所属期間や実績が選考対象になり、募集条件に合わず不合格になるケースがある
- 社内公募に提出する書類を揃えたり、面接の準備などを現在の仕事と平行に進めなくてはならないため、ストレスに耐える必要がある
- 異動先が理想とする場所ではない可能性もある
など、逃げるための方法として社内公募を活用するなら、リサーチにも時間を取りましょう。
社内公募で出世はできる?
現在の職場での将来性が見込めず、キャリアアップのために社内公募で異動すると、過去にいた部署での評判や人間関係に少なからず影響が出ます。
もしあなたが属する企業や会社が、従順な社員を求めている社風であれば、出世できない可能性もあるでしょう。
社内公募は自ら進んで異動を希望するので、過去にいた部署に事情がある場合(リソース不足など)など、あなたが出世をする際にポジティブな反応がもらえないことも考えられます。
出世できるかどうかは企業の体質やあなたの実力、適正などによって異なりますが、もし周囲からの評価が重視されるなら、社内公募が出世に大きく影響してきます。
また、異動する人材があらかじめ決まった社内公募が頻繁に行われている会社の場合は、何か目的があるはずだと周囲が気づくでしょう。
なので、社内公募で異動するあなたに対して「出世コースをいくから異動するんだ」と受け取る人がいることも考えられます。必ずしも社内公募を活用して出世できるとは限りません。
社内公募への応募を上司に事前に相談したほうがいい?
- 上司に反対されるから無断で社内公募に応募した
- 上司に相談したらあからさまに嫌な顔をされた
- 人員不足で引き止めを食らった
という体験談があるように、社内公募への応募を上司に相談すべきかどうか悩むと思います。
でも直属の上司に相談することなく、社内公募に挑戦して合格が決まったら、遅かれ早かれバレてしまいます。引き継ぎや異動時期など具体的なことを話し合う必要があるからです。
相談してもし落ちたら、同じ部署に居続けるのもつらいですが、
- 上司と健全に話ができる環境である
- 上司に相談することが募集要項に指示されている
時はやはり、直属の上司には相談したほうがいいです。
もし上司に知られず進めたい場合は、異動希望である旨を漏らされないように、相談相手は慎重に選びましょう。
上司に相談するメリットはあるのか
- 面接官が異動先の上司だった
- あなたのキャリアアップを応援してくれる職場環境にいる
上記のように、募集要項の内容によっては上司に相談しながら進めたほうがいいケースがあります。
上司に相談するときの伝え方
上司に社内公募について相談するときの伝え方は、
- 相談するタイミングは上司にとって適切かどうか確認する
- 過去に社内公募で異動した人に対策を聞く
など、社内公募を快く受けてもらえない状況なら特に、準備に時間を割いたほうが円滑に進むでしょう。
社内公募を上司に拒否されたら?
社内公募制度を上手に活用している会社の多くが上司に拒否権を認めていないにもかかわらず、上司が拒否するケースが実在します。
リクルートマネジメントソリューションズの調査では、社内公募制をうまく活用している会社では、全体の6割強が上司に拒否権を認めていません。一方で、社内公募制を取り入れていても活用が不十分な企業では、その割合は4割にとどまります。
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相談前に拒否されるだけでなく、合格していたのに拒否権を行使されたといったケースもあるとか。
上司が拒否する理由はさまざまあっても、社内公募制度の役割を考えると、本来は受け入れられるべきです。
上司に拒否されると不公平感や会社に対する不信感が募り、退職や今後のキャリアを見直す機会と捉えた方がよいでしょう。
異動希望なら出来レースかどうか慎重にリサーチを
今回は実際に社内公募が出来レースだった方々の体験談と、社内公募において出来レースを見抜くポイントをまとめました。これから社内公募への応募を考えている方は、参考にしてみてください。
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