JREC-IN(ジェイレックイン、Japan Research Career Information Network)は、科学技術振興機構が運営する、研究職に関する求職・求人情報を提供するウェブサイトです。
研究機関や企業などの採用情報を掲載し、求職者は情報の閲覧と応募ができますが、採用に関して出来レースが存在する場合もあります。
そこで本記事ではJREC-INが出来レースではないかと疑う人の体験談とJREC-INにおける出来レースの見分け方をまとめました。
JREC-INで出来レースが起きる背景を解説
JREC-INでなぜ出来レースが起きる?
JREC-INで起きる出来レースとは、採用過程で事前に内定が決まっており、他の応募者に採用の機会が与えられない状況を指します。この背景には、既存の人脈や事前の取り決めが影響していることが多いです。
JREC-INが出来レースだとどんな影響がある?
公平性が欠如することで優秀な人材が見過ごされることがあるため、研究機関や企業の評価が悪化します。
また信頼性が下がり、研究者や技術者のモチベーションが低下するので、研究や技術開発の質が低下するでしょう。実際ネット上には、JREC-INの応募条件や採用過程に疑問を持つ声が多く集まっています。
利用者満足度調査でわかるJREC-INの問題点とは
出来レースが疑われる原因につながるような非透明性や非利便性について、問題点を掘り下げます。
例えば2021年1月7日(木)~2021年2月5日(金)にインターネットで調査された、利用者の満足度についての結果をみると、現運用に対する改善点が見られました。
JREC-IN Portalが役に立っていない(役に立ちそうにない)という人の理由として、情報が少ない、応募しても採用されない使い勝手が悪いという人が一定数いることが分かります。
役に立っていない(立ちそうにない)理由は、「情報量が少ない」という回答が30.7%と最も高く、
令和2年度 JREC-IN Portal 利用者の満足度調査(登録ユーザーおよび一般ユーザー向け)
次いで「応募しても採用されない」の29.9%、「使い勝手が悪い」の14.7%の順に続いている。
JREC-INは看護学の公募が多すぎる
数年後に控えてると思われる就活に向けてずっとJrecinには登録し続けてるんだけど、まーーーーー看護学多いな…。。。
といったユーザーの口コミがSNS上に多いです。1つのカテゴリに対する求人情報量に偏りがあることもわかりました。
そのため、JREC-IN Portal に以下のような改善が期待されています。
- 求人情報の量、掲載の質の向上してほしい
- スマホ対応にしてほしい
- 比較検討ができるように、過去に遡って公募情報が見たい
- 審査人数や審査過程・基準などを報告義務化
- 公表できる部分(大学毎に採用者の人数と審査人数など)は公表してほしい
- 給与を記載してほしい
- 給与が明記できない場合は、給与規定が参照できるページを掲載してほしい
など、JREC-INにはユーザー評価や口コミを積極的にシステムに反映させ、より透明性が高い運営体制の実現が期待されています。(引用:JREC-IN Portal に期待する機能)
JREC-INはほとんどが出来レース?体験談まとめ
JREC-INの出来レースは本当にあるのか、ネット上の体験談をまとめました。
公募が短期間すぎて怪しい
募集期間が1月5-20日というような短期間の公募は出来レースなんだろうか。ガチなのかなぁ。
公募開始から締め切りまで一週間とか、どう考えても公募する気なんかさらさらなくて、出来るだけ早く公募の痕跡を消したいだけなんだから。
Jrecin見てて、「急募」て書いてあって、4日に公示、14日に締切という、もう出来レース以外のなにものでもないんですーと言ってるような公募ってほんとなんなのと思う。。
運営方針が不透明で不信感がある
機関によっては公募は必ずjrecinに載せなければならないみたいだけど、よくない仕組みだ
先日「出来公募」と思われるものの特徴を教えてもらった。
でもよく考えたら、そんなものが存在すること自体、大問題ではないのか。公共事業が「出来公募」だった場合には大問題になる。研究職の公募の場合はなぜ問題にならないのか
内定操作や不公平な採用が起きたことを周りからも聞く
実際に何例か知っていますが、出来レースは確実にありますよ。
やたら専門分野を狭めてくるような募集も怪しい時があります。
よく、Jrecinに出しても実は知り合いの弟子とか孫弟子だったというのも聞きます。
どれくらい出来レースなのかは10年以上前から諸説あります。ちなみに私、JRECINで見つけた職に就きました。完全公募でした。
ネット上では、JREC-INの出来レースが疑われる事例が複数確認できました。
JREC-INに出来レースを疑う実態の共通点として、
- 募集期間が7日〜数週間と極端に短い
- 募集の掲示期間が短い
- 募集の条件(採用する人の条件)がとても狭い範囲である
- 採用・不採用通知が遅い(過去には通知を受け取れなかった人もいる)
- 採用試験が形式的で不透明
などが挙げられます。
JREC-INのデキ公募とガチ公募の見分け方!
ここからJREC-INが出来レースと疑う方々の体験談をふまえて、出来レースとガチ公募(本当の公募)を見分けるためのチェックポイントをご紹介します。JREC-INの公募を確認するときに活用してください。
募集期間が短い
専門性が高くて優秀な人材を公募するにも関わらず、募集期間が短すぎる場合、すでに採用者が決まっている可能性が高いです。
JREC-INの募集を実際に確認すると、募集の公開日から募集期間が終了するまで1ヶ月〜3ヶ月が多いですが、ネット上にあるJREC-INの公募経験者によると、わずか1週間〜数週間で締め切るというケースが存在します。
採用条件が狭すぎる
公募経験者の経験談によると、採用者に合わせて募集要項が作られるケースがあるようです。分野や専門性、性別など、ある条件に限定された場合は、形式的な募集である可能性が高いです。
採用された人の経歴が限定されている
本来公募というのは、あらゆるスキル、様々な背景を持った人から適切な人材が選別されるはずです。
ところが、採用者が誰かによって事情が把握できる場合があり、採用された人の経歴を確認して、ある特定の共通項があるときは出来レースが疑われます。
体験談からわかったJREC-INの公募志望者がすべき対策5選
JREC-INの公募体験談やインターネット調査結果によれば、公平性を確保するために、自分自身でも事前の対策を取ることが重要だと分かりました。
情報をできるだけ集めて、関係者にも話を聞く
JREC-INは掲載料を取らないため、公募内容に対する事前の審査が適切に行われているか、不透明だという声があります。
Q1 : JREC-IN Portalの利用に料金はかかりますか。
A : すべてのサービスは無料でご利用できます。
よくあるご質問(JREC-IN Portal)
公募内容については、先に関係者や経験者に話を聞いて公募の背景を知っておくことをおすすめします。またネットやSNSでは実体験を公開している人がいますので、事例をくまなく調べて、出来レースの特徴をとらえておきましょう。
公募情報と提出書類を保存しておく
本記事の利用者満足度調査でわかるJREC-INの問題点とはで取り上げたように、JREC-INの公募情報は期日が過ぎると消えてしまいます。
そのため、PDF形式などで保存しておくのをおすすめします。採用者決定後に怪しい点がなかったか確認できますし、過去にどのような公募が行われたのか、事前に出来レースを疑う場合に役立ちます。
スケジュールに矛盾がないか確認する
求人情報の公開日から締め切り日までの期間だけでなく、赴任までのスケジュールが十分かどうかも確認しましょう。
JREC-INのQ&A
JREC-INに関して想定される疑問や悩みについて、調べてまとめました。
デキ公募とは何ですか?
デキ公募とは、出来レースの公募。採用者がいるのに公募を出している状態のことです。JREC-INで掲載されている公募もデキ公募が疑われるケースが存在しています。
大学教員公募の面接後、結果が1ヶ月経っても来ない!連絡がないのは不合格?
赴任までの期間が短いのに連絡がこない場合は不合格という場合があります。ところが、数ある事例を調べると、1ヶ月経っても結果が来ないのは、人事採用の選考プロセスに時間がかかっている場合が多いです。
例えば教授会や選考委員会、人事委員会や理事会の全てで、承認する必要があるのが原因になっています。
大学教員公募のコツは?
大学教員公募に落ちる人の原因は主に、公募の条件に合わないことが多いと言われています。応募者のスキルや経歴に不足があるというより、採用条件に当てはまるかどうかが重要なので、公募内容と自分がマッチするか客観的にチェックしておきましょう。
また採用されるのにふさわしい人材であるか、アピールしなくてはなりません。公募内容に適した書類や面接の準備を整えましょう。
そしてSNSなどで公募に関する個人的な発言は控えるべきです。通知や連絡が遅れたり、来ないことも場合によっては考えられるので、面接が終わった後は一旦忘れるなど、精神衛生を保つ工夫をしましょう。
まとめると、以下のような行動が有効です。
- 求職情報の確認や比較して、マッチするものを可能な限り選ぶ
- 自身のスキルや経験をアピールする資料を徹底して作る
- 不要な発信を避け、公募が終わったら切り替える
上記以外にも適切な人脈を作って自分の価値を高め、良い印象を作ることも重要とされています。ただ過度な人脈依存や不適切な情報交換は注意が必要です。
大学教員の再公募がある理由は?
基本的には
- 希望する人材が見つからなかった
- 内定者が採用できなかった
- 人材に空きが出た
- 規定で再公募せざるおえなかった背景がある
というのが可能性として考えられます。
募集内容や採用基準が変わっていることがあるかもしれないので、再公募に挑戦する際には、再度情報収集を徹底してください。
大学教員の公募は出来レースが多い?内部昇進や実態は?
ネット上の体験談のように、大学教員の公募で出来レースの存在が明らかになっています。
大学教員の出来レース公募も同じですが、能力より従順さを重視しているわけです。コネも能力のうち、使ってどこが悪いと思っている人は、まだまだ多いです。
実際「公募」といいつつ「募集:〇〇学/△△学専攻、〇才くらいの方、出来れば□□在住者」みたいに、実は決めた人がいて、出来レースを隠すために「公募」って形だけのことも多いよ。
また過去に大学教員公募の実態が露呈しました。
日本には、公募による大学教員の選考が正しく行われているかどうかをチェックする仕組みはない。書類選考で落とされてもその理由は本人にはわからず、仮に不正があったとしても、泣き寝入りするしかないだろう。(中略)この公募は、ある教授の定年退職に伴って行われるものだったが、「退職する前任者が公募の選考委員会に出席し、選考について何らかの発言をしたのではないか」という話が耳に入ったのだ。
早稲田大学「教員公募の闇」書類選考で落ちた男性が訴訟を起こした
まとめ
今回は実際にJREC-INの公募の体験談と、JREC-INにおいて出来レースを見抜くポイントをまとめました。これからJREC-IN公募への応募を考えている方は、参考にしてみてください。
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